いまさら聞けない税金Q&A

いまさら聞けない税金Q&A

Q 私は農業を経営して自分で確定申告書を提出していますが、今後特例付加年金(経営移譲年金)の支給を受けるため、来年から息子の名前で申告しようと思います。問題ないですか?
A

生前の事業承継では、継承する資産への課税に注意が必要です。

不動産のうち、農地や採草放牧地の所有権の移転は、農地法の規定により許可を受けなければできないため、許可を受けないものついては贈与税の問題が生じません。
このため登記名義を変更するなど特に贈与したと認められるものを除いて、贈与はなかったものとされます(昭35直資15)。

一方、不動産以外の農業用財産(動産)は、貸借しようとしても原則として贈与があったものとして取り扱われます。
ただし、棚卸資産以外の動産で特に書面で贈与を保留する旨の申出があり、かつ、その申出のあった財産の価額について、旧経営者を被相続人とする相続財産価額に算入することを了承したものについては、贈与がなかったものとして取り扱われます(昭35直資15)。
「不動産以外の農業用財産の贈与を留保する旨の申出書」という様式を提出して対応する方法があります。

実務上、父上の土地や機械などの減価償却資産は息子さんに無償で使用貸借するにとどめ、その間名義変更などをして贈与認定を受けないよう留意が必要です。